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  • 名古屋市民は熱田神宮のことを親しみを込めて「あつたさん」と呼ぶ。
    人々の心のよりどころともいえるその境内をのんびり散策し、周辺で暖簾をあげる
    ひつまぶしやきしめん、ういろうの老舗を訪ね、名古屋の王道グルメを楽しもう。

枝葉を広げる大木を両脇に、静かに佇む熱田神宮の本宮

静寂に包まれた、緑豊かな熱田の杜を歩く

熱田神宮の境内は不思議なほど静けさと安らぎに満ちていた。名古屋市南部、にぎやかな幹線道路に囲まれた場所でありながら、正門から一歩足を踏み入れた瞬間から別空間が広がっている。6万坪という広大な敷地に、樹齢千年前後と推定されるクスを筆頭に、ケヤキやカシ、シイ、ムクなどの広葉樹が緑の杜を成し、鳥たちが元気にさえずる。

深呼吸をしたくなるほど、気持ちがいい。今回初めて訪れてみて、地元の人たちが心のよりどころとしていることに納得した。

境内の南端にそびえる正門。皆、一様に門のすみでていねいに一礼し、境内へ
初冬の陽だまりのなかで美しく花開くサザンカ
480メートルある「こころの小径」。歩くだけで、清々しい気分になる
熱田神宮のなかでもっとも神聖なエリアにある一之御前神社

境内は見どころが多い。とくに本殿の裏側に延びる「こころの小径」沿いには摂社や末社がひっそりと点在する。その一つが一之御前神社(いちのみさきじんじゃ)で、天照大神の荒魂(あらみたま)を祀っている。神の穏やかな姿である和魂(にぎみたま)に対し、勇猛な姿を荒魂と呼ぶ。本殿の東に位置する清水社の奥には「お清水」があり、御祭神が水をつかさどる罔象女神(みずはのめのかみ)であることから、この清水で目を洗うと目がよくなり、肌を洗えば肌がきれいになるという言い伝えもあるそうだ。

三種の神器の1つ、草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を祀ったことに起源があり、すでに1900年以上の歴史を持つ熱田神宮。伊勢神宮に次いで格式が高いことでも知られている。主祭神として鎮まる熱田大神(あつたのおおかみ)とは、慈愛に満ちた天照大神(あまてらすおおかみ)のこと。なるほど、神明造(しんめいづくり)の本宮で拍手するときは、その厳かな空気に背筋がピンッと伸びるが、同時に穏やかな気持ちになるのは、天照大神を拝するからだろうか。

イチョウの葉がいろどりを添えるお清水
どっしりと根をはったクスの巨木からパワーがもらえそう

ほかにも、広い境内には織田信長が奉納した「信長塀」や名古屋最古の石橋「二十五丁橋」など、見るべきところは尽きないが、小腹がすいたので、きしめんを味わうことに。宮きしめんは1923年(大正12)創業で、境内に神宮店をオープンしたのが47年前。以来、参拝客の胃袋を満たし続けてきた。

定番の宮きしめんは、モチモチとしながらものど越しのよい平麺。この麺に合わせるのは、かつおの削り節などでとった香り高いだし。名古屋特有のしっかりとした味わいだ。池のほとりに設けた席で緑を眺めながらすする一杯は格別。

さあ、これでもう少し散策する元気が出た。

ホウレンソウ、シイタケ、油揚げ、かまぼこのほか、仕上げにかつお節ものせる宮きしめん
宮きしめん 神宮店はすだれを立てかけた開放的な空間

名古屋めしの麺代表であるきしめんだが、意外と専門店は少ないという。宮きしめんは専門店としての誇りを持ち、ベーシックな味を維持しながらも、進化系の開発に余念がない。カルボナーラソースやえびトマトクリームソースを絡める、グラタンに加えるなど、きしめんの可能性を広げてきた。

  • 愛知1泊フリープラン
■熱田神宮

名古屋市熱田区神宮1-1-1

052-671-4151

境内自由 *宝物館は9時~16時30分(入館16時10分まで)、大人300円(特別展・企画展は別料金)

無休 *宝物館は毎月最終水曜日とその翌日、12月25日~12月31日

■宮きしめん 神宮店

名古屋市熱田区神宮1-1-1 熱田神宮境内

052-682-6340

9時~16時30分(L.O) *特別営業 12月31日 22時~翌日5時、1月4日 22時~翌日5時(変更の可能性あり)

無休

名古屋めしのこだわり

あつたさん、きしめん同様、名古屋に行ったら外せないのは、ひつまぶしもまた然り。ひつまぶしと聞いてすぐに思いつくのは、「あつた蓬莱軒」ではないだろうか。

今回、熱田神宮の南門を出てすぐの場所にある神宮店におじゃました。2階の座敷で待っていると、しばらくして、おひつを載せたお膳が運ばれてくる。ふたを開けると香ばしく焼かれたうなぎの香りがふわっと広がった。そして中には細かく刻んだ蒲焼きが、ご飯が見えないほどぎっしり!これはうれしい光景だ。

食べ方はというと、一膳目はそのままで、二膳目はネギ、のり、わさびを入れて、三膳目はだしをかけてお茶漬けで。味の変化を楽しみながら箸を進めていると、いつの間にか1.3合ほどのご飯が入っていたおひつが空っぽになっていた。備長炭で焼き目をつけたふっくらとやわらかなうなぎ、甘辛のバランスが絶妙のタレ。ああ、思い返すだけで、もう一膳白いご飯が食べられそうだ。

炭火焼きの香ばしい匂いが食欲をそそるひつまぶし。基本はあるが、好みの食べ方でOK
落ち着いた2階の座敷。1階はテーブル席になっている
まずは焼きを入れて脂を落としてから、ウナギを串ごとタレ壷につけて焼き上げていく
タレの絡み具合をすばやく確認し、いい塩梅で火からおろす

「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」という言葉がある。蒲焼き職人の大変さを物語っているのだが、その現場を見せてもらった。備長炭が炎を上げる炉で、串刺しのウナギを焼いてはタレに漬けるのをすばやく、1、2回繰り返す。調理場に入ったのはほんの数分だったが、炎があがる様子と、それ以上の職人たちの熱気に圧倒された。「老舗として大切なのは、長年愛されてきた味を守ること。それが当店のうなぎを目当てに訪れた方へのおもてなしにつながるからです」。担当の齋木進(さいきすすむ)さんがそう話してくれた。
※「ひつまぶし」は、あつた蓬莱軒の登録商標

さあ、最後の締めにはお土産探しも兼ねて、甘いものを。
米粉を主原料にした名古屋銘菓のういろうも、忘れてはならない存在だ。熱田神宮からタクシーで5分。1659年(万治2)に創業した餅文(もちぶん)総本店の工場がある。初代餅屋文蔵が中国の明国出身の知識人から作り方を教わって以来、看板商品「献上外良(けんじょうういろ)」は製法を変えていないというから驚きだ。

製造課長の水上正剛(みずかみせいご)さんによれば、「混ぜ工程が一番難しいし、味の決め手となる」のだそうだ。米粉に湯を加え、毎日一定の練り具合で生地を作りだすことが大切で、その日の気温や湿度により、湯の温度や生地の混ぜ具合を微妙に変える。混ぜ方がうまくいかないと味にムラができるし、温度が安定しないと出来が柔らかすぎたり固すぎたりしてしまう。

この繊細な作業は、ベテランの菓子職人の手によって初めてなせるもの。さっそく頂いてみると、もっちりとした歯ごたえ、スッキリした甘みの上品なういろうで、シンプルながら定番の美味しさだ。餅文総本店では、米粉の味わいを生かすために適度に粗く挽いているそうで、随所に仕込まれた工夫が、創業以来の味を創りだしているのだと実感した。

味の要となる米粉は質のよいものを厳選
生地の固さを確かめながら、米粉、砂糖、湯を混ぜ合わせる。これで「献上外良」120棹分
「献上外良」は定番の白をはじめ、抹茶風味などがある。型に生地を流しこみ、蒸しあがったら切り分ける

工場に併設した直営店「餅屋文蔵の店」にはシンプルなういろうだけでなく、バリエーション豊かな品々が勢ぞろいしている。ういろうの中に3種類の餡を入れた「花しぼり」、しゃちほこをモチーフにした「金鯱(きんしゃち)ういろ」、愛知の郷土菓子である鬼まんじゅうと合体した「一口鬼まんういろ」など、挙げればきりがないほど。春は桜風味、夏はひんやりと味わう「一口水ういろ」、秋冬は栗入りといった具合に季節感あふれるういろうも展開。日本人に好まれてきた伝統の味を活かしつつ、新しい感覚も取り入れて名古屋の菓子文化を盛り上げたいという餅文総本店に注目である。

定番人気の「献上外良」
花しぼりは、こし餡、ゆず餡、抹茶餡の3つの味わい
シャチホコのイラストが目印の金鯱ういろ。こしあんと白あんがある
さつまいもの甘みがぎゅっと詰まった一口鬼まんういろ(季節限定)
  • 愛知1泊フリープラン
■あつた蓬莱軒 神宮店

名古屋市熱田区神宮2-10-26

052-682-5598

11時30分~14時30分(L.O)、16時30分~20時30分(L.O)

火曜、第2・第4月曜(祝日は営業)、12月30日~1月1日(1月2日~5日は11時~19時の営業)

■餅文総本店 餅屋文蔵の店

名古屋市熱田区池内町5-12

052-884-0080

9時~18時

年中無休(但し1月1日は休)

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    賞味期限/消費期限:製造日より14日
    保存方法:常温

  • 名古屋名物ういろ 老舗の献上ういろ(ハーフ)味楽詰合せ(餅文総本店)
  • 名古屋の老舗和菓子店である餅文総本店で作られる「献上外良(ういろ)」は、伝統の製法による、歯切れ良いなめらかな食感が特徴。献上外良(ハーフ)3本と花しぼり3種のセットです。
    ◎価格2,646円 献上外良ハーフ180g×3個(白・黒・抹茶)、花しぼり(上り)40g×4個、花しぼり(抹茶)40g×4個、花しぼり(ゆず)40g×4個
    賞味期限/消費期限:製造日より14日
    保存方法:常温

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2017年12月27日更新

東海道新幹線沿線

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